【遺言執行者としての行政書士】

「自分の死後、遺言に書いた内容は間違いなく実現するのか?」
これは、遺言を書かれる(書かれた)方の誰もが、一度ならず抱かれる不安でしょう。

弊事務所では、遺言草案の作成の他にも、遺言内容を実現する権限を持つ「遺言執行者」への就任を、行政書士2人でお引き受けしております。

遺言者の死後、遺言執行者は民法に定められた正当な権限にもとづいて、遺言の内容(主には預貯金の解約と相続人への分配、遺贈、寄附など)を「執行」していきます。
「執行」とは味気ない響きに聞こえますが、その職務に求められることは字義の通り、遺言内容の着実な履行です。

遺言者にとって、「遺言執行」はまさに最後の意思実現の機会となります。自力ではもはや実現不可能な行為を「執行者」という他者に託す遺言者にとって、「執行」は「必ず成し遂げて欲しい」願いであるはずです。条文に明記されていなくても「遺言執行者」にはそれだけの心構えと覚悟が必要であると受け止める必要があります。(遺言者より委託を受けた者が自身の判断で役割を辞することも可能です。)
それだけに、遺言執行者には、法律に明記されていなくとも、重い職責を担う覚悟と、法律その他執行に必要な知識や行動力が求められます。

予防法務の専門職である行政書士引が、遺言草案作成と併せて遺言執行者に就任する最大の意義は、まさに、遺言執行者として「遺言の円滑かつ平穏な執行」まで視野に入れた支援を依頼者に提供する点に尽きます。

実現不可能なことや紛争が生じることで実現が危うくなる事態を招く怖れの高い内容を精査・修正しつつ、遺言草案の作成の段階から「遺言内容の実現」という究極の目的に向かって、依頼者をサポートし続けます。

弊事務所の行政書士が作成する遺言草案が備える要件は以下の3つです。
① 遺言者の意思を必要十分に、かつ適法に反映していること
② 将来においても実現可能な内容となっていること
③ 紛争性をはらんでいないこと(②とも関連がある)

① ~③の条件を具体化するために、依頼者と面談を重ね、法的な瑕疵の有無について公証人の指導のもとで精査し、紛争の芽を摘み取るべく代替案も提示するといった、サポートを行っていきます。

かつて、天皇陛下の手術を担当した医師が、「手術は成功したのですか?」との取材に対し、「陛下が健康的な日常生活を営めるようになられた時、はじめて手術が成功したと言える。」と、答えておられました。

私どもの場合は、「執行を終えてはじめて、遺言草案作成時に始まる職責を全うした。」と言えます。私どものこれまでの執行者としての経験からも、間違いのない定義であると考えますし、今後の業務においてもゆるぎない業務の指針です。

遺言者やその相続人は、遺言作成を通じて法律職の「力量」や「美文」に触れたい訳ではありません。(例外的に、付言《法的な効力はないが、遺言者の作成意図を相続人に語りかける項目》においてのみ、“想い”を伝える文章は情緒を交えて綴ります。)
執行業務もまた、着実かつ粛々と履行されるべきもので、行政書士は、いわば「遺言者の黒子」として機能します。
ただ、そういった機能は市販のキットやAIソフトには備わっていない、面談や交流を通した「人間的な営み」の積み重ねであるとご理解頂ければ幸いです。

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